キリスト者共同体/聖堂講演会 vol.3
生命をはぐくむ空間
過去の記念碑的な神殿や寺院の建築には、その時代に応じた人間精神の営みを深く体験することができます。それらはまた、人間本来の「生命(いのち)を育む空間」でもありました。しかしそのような空間は現代文明の中で急速に失われ、私たちは無機的で抽象的な、いわば虚ろな空間に慣れ親しんでいます。そうした空間の虚ろさは、人間が自由な個性を発展させる舞台ともなり得ますが、反面では現代人の魂の孤立と荒廃の一因ともなり得ます。人間性が本来の実りをむかえるために、いま私たちは至るところで、私たちの時代にふさわしい「生命を育む空間」を新たに必要としているのではないでしょうか。
キリスト者共同体の宗教活動の根幹である儀式は、霊的・精神的なるものを地上的・感覚的な場において体験することをめざしており、その活動そのものが常に新たな空間の創造でもあります。そしていつの日か私たちが実現したいと願っている共同体の建物、聖堂もまた、儀式とそこに集う人々の共同体を支える生命空間の創造の試みでもあります。
今秋、三度目を迎える「聖堂講演会」では、幾何学、建築の両面から、古来、宇宙の根源とも云われてきた「卵の形」に秘められた謎をとりあげ、また現代における生命的建築の代表ともいえるシュタイナー建築の構想力の源泉に迫ってみたいと思います。
なお、前回と同様、講演会の収益は「キリスト者共同体聖堂建築基金」の一部にあてさせていただきます。また会場となる東京集会所礼拝室は比較的狭いため、入場定員は40名とさせていただきます。定員に達し次第締切となりますので、お申し込みはできるだけお早めにお願いいたします。
爽やかな秋の一日、イメージ豊かな図版やスライドとともに、「生命を育む空間」を皆様と共に探る時間を持てれば幸いです。
輿石祥三
日時:2004年11月7日(日)13:00〜17:00
会場:キリスト者共同体東京集会所礼拝室
会費:3000円(予約)、3500円(当日)
友の会会員2000円(予約)、2500円(当日)
定員:40名 ご予約は以下まで、お早めに
info@kirisutoshakyodotai.org
プログラム
開場12:30〜17:30終演
1部
13:00〜13:20 序章 「聖化される空間」 講師/輿石祥三(司祭)
13:20〜14:50 「卵の形のひみつ」 講師/丹羽敏夫(津田塾大学教授)
〜休憩(30分)〜
2部
15:20〜17:00 「シュタイナー建築の生まれるところ」 講師/内田純一(建築家・Cassini主宰)
17:00〜17:30 自由な質疑応答の時間